加齢によって低下した体の働きを元に戻す
「八味地黄丸」は、中国の医書『金匱要略(きんきようりゃく)』にも記載されている漢方薬です。別名「腎気丸(じんきがん)」とも呼ばれ、腎の機能を高める働きがあり、新陳代謝機能を高めて、中高年以降の尿トラブルのお悩みを改善します。八味地黄丸は、体を温めて、加齢によって低下した体の働きを元に戻していく処方が特徴です。
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漢方のヒミツ
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漢方薬ってなに?③
「八味地黄丸」は、中国の医書『金匱要略(きんきようりゃく)』にも記載されている漢方薬です。別名「腎気丸(じんきがん)」とも呼ばれ、腎の機能を高める働きがあり、新陳代謝機能を高めて、中高年以降の尿トラブルのお悩みを改善します。八味地黄丸は、体を温めて、加齢によって低下した体の働きを元に戻していく処方が特徴です。
尿もれや頻尿といった尿トラブルは、体の機能低下とともにうるおいや温かみが失われ、膀胱やその周りの筋肉(膀胱排尿筋)の柔軟性が低下することで起こります。尿トラブルを抱えた膀胱は、柔軟性がなく、硬く伸びない袋のようなものです。そのため、やわらかく伸びる健康な膀胱に比べると、蓄えられる尿の量がどうしても少なくなってしまいます。
また、温かみが失われた体は冷えやすく、汗をかきにくいので、水分が外に逃げていかず、ほとんどが尿に回ります。しかし、膀胱排尿筋が衰えて尿をたくさんためることができないため、トイレに行く回数が増えてしまうことに。その結果、何度もトイレに行きたくなる、尿もれ、夜間尿などの症状に見舞われるのです。
漢方薬は一人ひとりの心と体の状態を表した「証(しょう)」という独自の概念を用いて処方されます。「証」とは、病気に対する抵抗力や心身のあり方をあらわす漢方独自の「ものさし」です。八味地黄丸は、「虚証(きょしょう)」「腎虚(じんきょ)」「寒証(かんしょう)」「臍下不仁(さいかふじん)」の人に向いています。
本来あったものが失われた空虚な状態です。体の線が細く、青白い顔をして疲れやすい、いわゆる「虚弱体質」の人は虚証に分類されます。冷えやすく腰痛などの症状に悩まされているのもこのタイプです。
泌尿生殖器や下半身の衰えがみられる人です。さまざまな尿トラブルは、この腎虚による症状と考えられます。頻尿によってトイレが心配で高速道路に乗れない、尿意が我慢できない、会議中でもトイレに駆け込んでしまう人は、腎虚タイプといえるでしょう。また、残尿感や排尿困難を感じている人、夜間尿の人も当てはまります。
手足などの局所が冷えている状態です。頻尿を起こすことも多いでしょう。尿の色が透明もしくは薄く、量が多い場合は、体の冷えによるものと考えられます。
上半身に比べて下腹部が脱力して抵抗力がない状態。足腰の弱い人や高齢者によくみられるタイプです。へそから下の部分がふにゃふにゃして緊張感がない場合は、八味地黄丸を用いるひとつの目安になります。
八味地黄丸には、腎の働きを良くする8種類の生薬が配合されています。
八味地黄丸は、その名が示すように、丸剤で服用するのが最適とされている漢方薬です。他の剤形よりも長期保存ができ、薬の作用も穏やかで持続力があるといわれています。しかし、丸剤はエキス剤などと違って、作るのにとても手間がかかり、他の剤形の薬に比べると生産量がわずかなため、今も丸剤を製造している製薬会社は希少です。せっかく続けるなら、品質を重視した漢方薬をお求めください。